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自分らしさというものは、煮詰めてもどうも手応えが無い。
他人と違うその人特有の性質や性格、個性の特性は人それぞれ違うとは頭で理解できるのだが、本質的な違いを理解するのは難解だ。

たとえば私たちの暮らし中で何気なく視界に入って来るボールペン、ノート、消しゴム電気製品であるパソコン、スマホなども、それぞれ個性を持っていると言えるが、それは用途や機能性の違いによるもので、見た目が同じボールペンとボールペンの存在の違いは表現しにくい。
表面上で認識できる情報は、やはりボールペンでしかないのだから。
人も同じく人は人なのである。

世界のあらゆる存在を定義するのは、創造者であり、または私たち人であり、その共通認識を観念と呼ぶ。 明確ではない曖昧な個性を概念という言葉で表現し、その概念よりさらに大まかで曖昧な領域にある人の個性という表現。
その“私らしさ”をどのように伝えたら良いか。

”色即是空”という言葉がある。
仏教用語では現世のあらゆる物に、実体はなく、空無であるという意味を持つ。私たち人間は、個の証明として ”自分らしさ” という言葉を使うが、その自分らしさを表現するものに形は無く、人という概念において個を区別する明確な違いは存在しない。
私たちがお互い違う存在でありながら、自分でも他人にも説明できない私という存在を証明できるのは、唯一、内なる私ではなく、私を形づくる私以外の存在による証明なのだ。

自分が創造した作品に宿る“私らしさ”は、内なる私を目に見えるように形づくる。あなたがいて、私が在ることでお互いを人という概念で認識できるのと同様に、あなたの作品と私の作品は、いかにも貴方らしい貴方を、私らしい私を。
この場に誕生させることだろう。

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僕らの存在証明EPISODE.0原色のアイデンティティ

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